カレーになった私

その日私が帰宅すると、家の中がある匂いでいっぱいだった。
カレーだ。
今日の夕食はカレーのようだ。
カレーは母の得意料理で、とても美味しい。
カレーなんて誰が作っても美味しいものだが、母のカレーは本当に美味しいのだ。
楽しみだなぁ・・・。
そんなことを思っていた最中、私は突然目眩に襲われた。














─────────────────────────目を覚ます。
なんだか身体が熱い。
自分から強い臭いがする。
顔を上げると、母の顔がある。
・・・・・・?
その瞬間、母はスプーンを向け、私の身体を抉り取った。
なにがなんだかわからない。
痛いよ・・・─────痛くない。
むしろ身体が気持ちいい。
なんだろう、この気持ち。
自分が段々減っていくが、不思議な快感が走る。
意識はどんどん無くなっていくが、その先にある快楽を求めてしまう。
私の身体はあと一口分。
でも大丈夫、怖くない。
終わったらきっと何か気持ちいいことがあるの。
最後の一口、辺りを見渡すと、私が居た。
私ではない、私。
もう一人の私と目があった。
目を細めて私を見つめている。
嘲笑っているようだ。
でもいいの。
気持ちいい気持ちいい、気持ち良くサヨウナラ。

葉原ての図書館

葉原ての名義で短編小説を気ままに(●´ω`●) 小説家になろうというサイトで短編書いています。 ここではなろうで発表した作品中心に載せていこうと思っています。 ホームページ初めてなのでなにかおかしいところがあるかも・・・(><) 発展途上の未熟者ですがよろしくお願いします。

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